果樹苗は急激な環境の変化(植え替え・温度)でよく枯れる

2022年11月17日

果樹苗を環境の変化で枯れさせないために

環境の変化というと大きく2つ考えられます。

1.植え替えによる土の変化
2.栽培場所を変えたことによる温度や湿度の急激な変化

野菜を育てている場合、プランターを一回り大きくしたり、地植えにするときに植え替えますが、植え替えによる失敗はあまりないのではないでしょうか。

植え替えの失敗と言えば、しっかりと根付かずに水分を吸収できず枯れることだと思います。

また野菜は栽培時期が果樹に比べて短いため、急激な温度や湿度の変化に合いづらく、環境の変化で枯れることも少ないと思います。

果樹苗に関してはこれら2つのことを野菜の栽培と同じような感覚でやってしまうと枯れるリスクが高まります。

植え替えによる変化

植え替えをすることで何が問題なのかというと、土が変わってしまうことです。

土には窒素、リン酸、カリの三大栄養素のほかに、様々な栄養素が入っています。

また土には酸度もあります。

鹿沼土が酸度の高い土になります。

酸性 鹿沼土>赤玉土>野菜用培養土

私がよくやってしまう失敗として、種を発芽させるまではセルトレーに野菜用培養土や種まき用培養土を入れて種を発芽を待ちます。

ある程度芽が出てきたら、赤玉土7:腐葉土3の土に植え替えます。

この時土の栄養素と酸度が変わってしまっているため、枯れる経験が多くありました。

ですから、極力種を植える段階で、土を赤玉土7:腐葉土3の土にしておくことをお勧めします。

植え替えないようにあらかじめ大きな鉢に種をまく

植え替えが枯れるリスクを負っているならば、植え替える工程が1つないだけで枯れる確率が減ります。

それならば、植え替えないで済むように予め大きな鉢に種をまいておくのもいいと思います。

ただこの方法は2つの問題があります。

1.果物の種の発芽率が低いため、どの種が発芽するかわからない
2.根の量に対して土の量が多いので根腐れする確率が上がる

対処法

リンゴや梨、柿など1つの果物にいくつも種が入っているような果物であれば、1つの植木鉢に5粒ずつ蒔く方法で解決します。

そしてある程度大きくなったら間引きをして、最後一番成長している1本を育てれば、植え替えのリスクもありませんし、最初は複数の種が発芽していますから、根腐れのリスクも減ります。

しかし桃やマンゴー、アボカドなどは種が1つしか入っていませんから、この方法は使えません

冬越しする際に室内に入れるなどの環境の急激な変化

寒くなると地域によっては屋外で冬越し出来ない果樹苗も出てきます。

リンゴや梨、びわなどは比較的寒さに強いですが、パイナップルやアボカドのような比較的暖かい地域で栽培される果物は屋外で冬越しが難しくなります。

11月くらいから気温も下がり、植物の成長も止まります。

夜間はとても冷えますから、この時期くらいから室内に育てている植物を移動させる方も多いのではないでしょうか。

しかし室内に入れたとたん枯れ始めることもよくあります。

おそらく湿度の急激な変化だと思います。

いくら室内に入れたとはいえ、屋外と室内で11月の気温差はそこまでありません。

屋外と室内の気温差でしたら、日中と夜間の気温差よりも少ないと思います。

ですから湿度が影響しているのではないかと思います。

対処法

対処法は徐々に室内の環境に慣らしていくしかありません。

寒くなってから室内に入れるのではなく、まずは夜間だけでも室内に入れておき、昼間は屋外で育てるといった感じです。

そして徐々に室内で育てる時間を長くしていき、最後は屋外に出さないというようにします。

そうすると植物も徐々に順応していくので、枯れずに冬を乗り越えることができます。

冬の水やりで枯れてしまうこともあるので、冬の期間の水やりに関してはこちらの記事にまとめてあります。

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